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映画 『Trial of Hein』
評論家泣かせの読めない映画
すごい映画だった。Kai Stänicke監督はデビュー作とは思えないほど、最後までスリル満点でハラハラさせるサスペンスかと思いきや、切ないヒューマンドラマが絶えず見え隠れする。そしてクライマックスは誰も予測できずに見事に期待が裏切られる、でもハッピーエンド。これは純粋な才能としか語れない。
バンクーバーでの上映は2日間とも超満員。上映後の拍手は大きくて長く続き、ほとんどの人が上映後のQ&Aに残った。ドイツから来たシュテニッケ監督も喜んだと思う。

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14年間故郷の島を離れて都会へ移り住んだハイン。久しぶりに漁師の島に戻ったが、自分の母親はアルツハイマー、妹は幼かったため自分を覚えていない。親友のフリードマンも自分を別人だという。疑念と敵意の中で村人は、帰還者が本物のハインかどうかを決める3日間の「村の法廷」を開く。追い詰められたハインは、幾重にも張り巡らされた嘘に対して真実を証明しようとする….。

映画はごくシンプルなセットで、ミニマリズムをもって展開する。主演のPaul Boche (パウル・ボーヘ)による見事な演技を軸に、内に秘める「正体」と、身を守るために口にする「嘘」について考えさせられる。
助監督を経て短編映画で評価を得たカイ・シュテニッケは、この『Trial of Hein』で、ベルリン国際映画祭のTeddy Jury Award(テディ賞)を受賞している。バンクーバーでの手応えから、監督の次回作に十分期待できる。

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