BAFTA 2018
Leading Actor (男優)- Gary Oldman
Foreign Film (外国映画)- The Handmaiden (『お嬢さん』パク•チャヌク監督)

Gary Oldman©2018 maplepress.ca

“The Handmaiden” actors Ha Jung-woo and Kim Min-hee hug Director Park Chan-wook @maplepress.ca
Screenplay (脚本)- Call Me By Your Name
Documentary (ドキュメンタリー)- I am not Your Negro
Best Film (グランプリ)- Three Billboards Outside Ebbing, Missouri
Cinematography (映像)- Blade Runner 2049
Costume (衣装)- Phantom Thread
Actress Angelina Jolie at UN Speech

Ms. Angelina Jolie at UN©maplepress.ca

Ms. Jolie after her speech ©2017 maplepress.ca
On March 15 2017, Actress Angelina Jolie, who has been serving more than a decade as a UNHCR Goodwill Ambassador and holds the rank of Special Envoy at the diplomatic level, presented issues confronting the world including war, nationalism, and refugee crisis during the UN speech. She said “It is not for this (uncertain world) that previous generations shed blood and work so hard on behalf of us”. Her entire speech was very touching and reminds of us that we need to stop conflicts and greed, and focus more on humanity and hope for our next generation.
BAFTA 2017
“I, Daniel Blake”

BAFTA Awards ceremony©2017 maplepress.ca
At the same time as the Berlinale there were also the BAFTA Film Awards. This year the award for Best British Film went to the movie “I, Daniel Blake” by the 80-year-old director Mr. Ken Loach. The film tells the story of a middle-aged carpenter, Daniel Blake (Dave Johns), who was left unemployed after a major heart-attack. The movie shows the government’s bureaucratic points-based allowance system, which makes many honest middle-aged or older citizens unqualified for well-deserved support today.
Director Loach said, “In the real world it’s getting darker and in the struggle that is coming between the rich and the poor and the wealthy and the privileged and the big corporations and the politicians who speak for them and the rest of us on the other side – film makers know which side they are on and despite the glitz and glamour of occasions like this, we are with the people.”
Even though some major newspapers decided not to post it, his speech touched many people in the world, including Nicole Kidman who presented the award. Like he said in his earlier speech: “We must give a message of hope, we must say another world is possible,” his movie shows his passion and love for the people.
第68回カンヌ国際映画祭
〜太陽がいっぱい〜

フランスの高速道路を抜けてカンヌへ向かうと、そこはもうリゾート。オレンジ色の建物をぬっていくと目の前に俳優アラン•ドロンが描かれた壁を見つけた。映画『太陽がいっぱい』の舞台となったこの街の海は本当に青く、空の色と不思議なくらいマッチしている。世界で最も注目されるカンヌ国際映画祭は、今年五月13日から24日まで開催されている。今回はこのカンヌの街と映画祭の様子をお伝えしたい。

フランス人は外見にこだわる民族なのか、この街はリゾート地でありながらドレスアップした服装の人が多い。カナダのようにショートパンツにサンダルというような格好では歩けない。また避暑地なのに帽子をかぶらないのもフランス人の特徴。あるフランス人女性は「帽子をかぶるのはアメリカ人だけよ」と言った。きれいな髪にサングラス、お化粧もきちんとしている人が多いので、誰が本物のセレブ(有名人)か区別しにくい場合もある。大物セレブはホテル、コーヒーショップなどあらゆる場所に出現し、堂々と『プライベート』の時間を満喫している。日本からきた監督や女優たちも、街で人込みに混じってショッピングをしていた。一日中サングラスをしていても目立たないこの街の雰囲気が彼らを魅了しているようだ。
今回の映画祭は、テロ対策のため、とにかくセキュリティーが厳しい。あるプレス・コンフェレンスに入ろうとした2人のハリウッド女優のうち、一人はリストにないと入場を断られた。「私を誰だと思っているの?」「知りません、どなたですか?」「女優です」「どの監督の、どの映画の女優ですか?」というようなやりとり。顔色一つ変えないガードマンの態度に周りも苦笑する。結局外で待たされた女優は「もう大変だったんだから」と後で話していた。セレブたちはその日の会議が終わるとホテルへ直行し自由に遊んで、あとはレッドカーペットというパターンが多い。携帯電話で申し込むパリまでのプライベートの飛行機、ニース空港からカンヌまでの送迎ヘリコプターなど贅沢なサービスもある。
レッドカーペットは毎晩行われるので、女優は毎回ドレスを変えて自分を売り込める。今年もシャーリーズ・セロン、エマ・ストーン、ソフィー・マルソー、ジョージ・クルーニーなど、開幕と同時に人気俳優が勢揃いした。またシャネル、ディオール、グッチなど各デザイナーのドレスとアクセサリー競争もカンヌは別格である。取材するテレビ局とカメラマンの服装でさえ、タキシードに蝶ネクタイかドレスという規定がある。一方で、レッドカーペットが苦手な監督やセレブは、横の一般用の階段から入る。映画も招待制が多く、上映中鑑賞しているセレブの写真撮影は一切禁止である。
映画祭会場の横は港があり、見事なスーパー・ヨットが並んでいる。毎年ほぼ同じ場所に泊まっているビリオネアたちは、大物セレブを招待し、信じられないような豪華パーティーを催す。毎日朝から晩まで18時間働き、チップだけでも週に5000ドル以上もあるという夢のようなクルーメンバーたちは、ヨットの中の秘密を一切漏らさない。しかし多額なお金と引き換えに時間と心理的な不自由さに長続きせず退職も多いそうだ。ちなみに一番大きなボートの持ち主はアブダビからの大富豪。ヨットの一行はカンヌの後、F1のためにモナコへ移動するそうだ。一般人から程遠いステータス・ゲームの世界は面白い。
今年の日本映画は、是枝裕和監督の『海街diary』がコンペティション部門に、河瀬直美監督の『あん』と黒沢清監督の『岸辺の旅』がある視点部門にダブルでノミネートされている。他に俳優として渡辺謙さん、妻夫木聡さんらが外国映画に出演している。授賞式は、現地時間の24日なので期待したい。





河瀬直美 監督

Director Naomi Kawase ©2015 maplepress.ca
~求める何かになれなくても生きる意味がある~
やり残したことはありませんか?
第68回 カンヌ国際映画祭「ある視点」部門オープニングに紹介されたのが河瀬直美監督の映画『あん』。「カンヌおなじみの」と紹介された河瀬監督は受賞以外にも審査委員を務めるなどカンヌ祭と縁のある方だ。今年で同映画祭出品は7作目となり、フランス現地でも知名度が高い監督。今回忙しいスケジュールの中マリオットホテル屋上にてプレス•インタビュー後写真撮影に応じてくれた。
~ストーリー~
前科者でどら焼き屋の雇われ店長をしている千太郎(永瀬正敏)のもとへある日、求人募集広告を見た老女•徳江(樹木希林)が現れる。彼女の作る粒あんがあまりに美味しくて、店がどんどん繁盛していく。そんなある日、徳江が昔ハンセン病を患っていたことが近所の噂になり、客足が一気に遠のいた。状況を察した徳江は、自ら進んで店を去る。そして…。
河瀬監督はドリアン助川さんの原作を読み「目に見えないものが描かれていて、それは映画にとって描きづらいもの。だからこそ作品にしたい」と感じたそうだ。ストーリーにあるハンセン病だが日本では「らい予防法」により近年まで法律によって元患者たちを隔離してきた。しかし法律がなくなった後も顔や手足が変形することから差別や偏見の対象となっていたそうだ。原作者の助川さんは隔離された人々が実際に残した詩、小説、絵、陶器などを見たとき、人は一体何のために生きるのか、人生をまっとうするとはどういうことかと考えさせられたという。河瀬監督もハンセン病患者に対して日本は大きな間違いを起こしたとし、日本が誇るスイーツの「あん」を通して若い世代にこの事実を知ってもらい、また世界中の差別や偏見はこれからも続く問題だが、自分自身は可能な限りなくす立場で生きるという作品にしたと話した。
この映画には共に俳優歴30年以上のベテランである樹木希林さんと永瀬正敏さんが共演している。見所は樹木さんが一生懸命あんを作るシーンだ。この作品のために二人はそれぞれどら焼き作りを勉強し練習を重ねた。樹木さんは「どら焼き、とても好きだったんですけど食べ過ぎて、もう結構です」と周りを笑わせた。今回は実孫の内田伽羅(うちだきゃら)さんと映画初共演している。
ベテラン俳優の永瀬正敏さんは1989年のアメリカ映画、ジム•ジャームッシュ監督の『ミステリー•トレイン』以来のカンヌ祭。彼は去年大森立嗣監督の『まほろ駅前狂騒曲』にも出演しバンクーバーでも馴染みがある。これまで自分のやり方で役作りをしていたという永瀬さん。しかし今回千太郎でないとだめという河瀬監督の要求に応じるため、千太郎の出身地を一人で訪ね、実際にお風呂のないアパートで生活しどら焼きも売った。千太郎として生きて彼の心を感じて撮影現場へ向かったそうだ。そんな「河瀬流」の丁寧な演技要求は彼にとって良い勉強になったと語ってくれた。
主人公の、陽のあたる社会で生きたいという願いを見つめるこの作品には、フランスとドイツも制作に加わっている。季節の移り変わりを優しく盛り込んだ河瀬監督ならではの美しい映像も必見である。「常に自分が共感したものを残したい」と語る監督が「この作品を2時間観ていただいた後、人間にとって本当の幸せはどこにあるのかと胸に刻んで今宵を過ごして頂ければ幸せです」と紹介してくれた。映画『あん』の北米上映を期待したい。
河瀬直美監督のプロフィール
奈良県出身。 初の劇場映画『萌の朱雀』(1997)でカンヌ国際映画祭のカメラ•ドール新人監督賞を史上最年少で受賞。その後も『殯(もがり)の森』(2007)でグランプリ(審査員特別大賞)と、『火垂』(2009)で映画祭に貢献した監督に贈られる「金の馬車賞」を受賞。2013年には日本人監督として初めてカンヌの審査委員(コンぺ部門)を務め、今年1月にはフランス芸術文化勲章(シュバリエ)を日本人女性映画監督として初めて受章。今後も世界中から活躍が期待される国際的な監督だ。


