Director Mayumi Yoshida

Akashiのシーン
©2025 VIFF

映画『Akashi あかし』がVIFFでワールドプレミア!

吉田真由美監督インタビュー

祖母へ捧げるラブストーリー

「今は緊張していますが、やっとここまで来れたって感じです」と、笑顔でインタビューに応じてくれた吉田真由美監督。2017年に監督・主演した短編映画『あかし』で、BC州映画界のSpotlight Awardsで新人賞を受賞した当時は、自分で脚本、監督、主演、プロデュースを全部こなし「4つくらい帽子をかぶっていないと不安になるんです」と話していた。Youtubeで無料配信していたその短編映画が、約9年後さらに大きくなって今回長編デビューする。しかも初プレミアの舞台はVIFFの目玉、世界各地から選ばれた大物作品が上映されるあのPlayhouse劇場。「この映画とは長いつきあいだった」と監督が認めるぐらい映画『あかし』には監督自身のプライベートな思い出がある。

『あかし』は、世代と時を越えて紡がれる愛の物語

バンクーバーでアーティストとして奮闘するカナ(吉田真由美)は、祖母(木野花)の葬儀のために十年ぶりに東京へ戻ってくる。長い海外生活のせいで、故郷に居場所を見いだせずにいるカナ。 これをきっかけに、祖母と自分だけが共有していた秘密――祖父(村井國夫)にもう一人の女性(松原智恵子)がいたこと――を思い出すカナは、偶然にも昔の恋人ヒロ(田島亮)と再会する。物語は祖父の長きにわたる愛人関係と交差し、家族に隠されてきた真実が少しずつ浮かび上がっていく。やがてカナは、愛に生きることの代償と、夢と責任のはざまで揺れる人生の選択に向き合っていく。

さわやかな笑顔の吉田監督
©2025 Pender PR

色彩パレットのような映像

祖母のために作った映画なので、これから観てくれる人たちの反応が最初は心配だったという監督。だが色々な人に脚本を読んでもらっているうちに、このストーリーはユニバーサルで世代を超えて誰にでも通用すると感じた。そこで映像も従来なら過去がクラシックな白黒、現在は鮮明なカラーのところ、過去は愛人同士の目線で振り返るために鮮やかなカラー、現代の葛藤に普遍性を持たせるためにカナのストーリーは白黒でクラシカルに見せると言う手法を選んだという。

「鮮明な記憶をたどっている祖父の目線には色があると思ったんです」と監督は説明して、「逆にかなの描写は白黒に感じました」と続けた。「いつの時代でも人は心の葛藤を持っています。今ある感情に色をつけずに見たら本質を感じ取ってもらえるのでは」と思ったそうだ。「ナチュラル」という言葉が似合うぐらい時間が止まったように変化しながら映画は進んでいく。

素敵なコラボ

映画のクロージング・ソングは坂本龍一さんの『Aqua』。吉田監督はこの曲を聴きながらストーリー中の気持ちの整理ができたそうだ。「映画の軸になっています」と話す通り、愛、存在、繋がりのあかしが最後まで感じられる曲だ。さらに音楽担当のAndrew Yong Hoon Leeさんは、作曲家目線から常に「映画はアート」だとリマインドしてくれたと語った。出演俳優も松原智恵子さんや村井國夫さんなど往来俳優も出演していて、映画製作から素敵なコラボが実現したのが伺えた。

10月5日初日のワールドプレミアには日本から俳優も駆けつけて、監督と一緒に舞台挨拶をしてくれる予定。チケットはお早めに。

PS: 映画『あかし』はこのインタビューの後VIFF Northern Lights部門で観客賞を受賞した。

VIFFレッドカーペットでの吉田監督
©2025 VIFF
吉田真由美監督とプロデューサーのNach Dudsdeemaythaさん
©2025 VIFF
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