A Documentary by Wim Wenders

アート、歴史、魂の勉強
Director Wim Wendersが Pinaに続いて作った3D 映画– Anselm。先日カンヌ国際映画祭のSpecial Screeningsでデビューした最新作は、ドイツのpainter/sculptorの Anselm Kieferを追う。
最初に画面に登場するのはプラスターでできたウェディングドレス。頭の部分は針金、ブリック、鉄などいろいろな材料でできている。また大きなキャンバスに分厚いペイントをつけて火で焼いたり水拭きしたりと目を見張るテクニックで独特のアートが作られる。倉庫を改造して作った広いアテリエの中を自転車で回っている彼の姿も印象的だ。


注目するのはキーファーさんが政治家や偉業者らをも自身のアートに組み込んでいること。特にナチスの挨拶をパロディーにしている作品は印象的で、つい笑ってしまい冗談にもとれる。だが違う人の目からはネオナチ、隠れファシストとなり大きく批判された。それでも本人はごくシンプルに全て芸術だから、その場所にいてごく自然なポーズだったと語る。
さらに自分に感銘を与えた人物としてホロコーストで両親を失ったJewish Romanian PoetのPaul Celan の名を挙げて、彼のことも考えながら作品を作ったそうだ。歴史を忘れないように、沈黙はいけない、という勇気あるスタンスは当然国内で批判を受けるが、逆に海外、特にニューヨークなどアメリカの大都会で「スーパースター」と称賛された。もちろん78歳の現在は国内外に人気のある芸術家だ。
ヴェンダース監督はこのドキュメンタリーを撮るのに2年も費やした。ドイツのOdenwaldから南フランスの壮大なBarjacまで、キーファーさんのアートをカメラは追い続けた。天才的なアーティストというより、自分に最も誠実なアートで、無と存在が一緒になったように3Dで表現されている。戦争など暗さの中にも明るい光があり、雪をかぶったひまわりから太陽の下のひまわりなど季節の移り変わりと、1人のアーチストの少年、青年、老人になるまでのシーン移行なども見逃せない。映画に登場するのは他にヴェンダース監督の甥Anton Wenders君と、キーファーさんの息子Daniel Kiefer さん。2人は若い頃のキーファーさんを好演している。

それにしても3D 6K のドキュメンタリーは映像が鮮明で、時には匂いがするような感覚におちいる。また太陽が眩しかったり、体がポカポカと温かく感じるのも不思議だ。スケールの大きいアートというと今流行のイリュミネーションアートだが、キーファーさんのは人間の手で作られた本物アート。そしてヴェンダース監督によるアート版ロードムービーでもある。このクリスマス、静かに映画館で体験する価値のある一本だ。
この映画は12月22日よりToronto, Montreal, Vancouver (Vancouver Fifth Avenue Cinema)で上映される。
Press Screening Credits: Wim Wenders, HanWay Films, Mongrel Media, and Star PR.
カンヌ国際映画祭でのレッドカーペット:





Credit: 2023 Festival de Cannes

