Wim Wenders 特集
ヴィム・ヴェンダース監督のレトロ映画特集です。
Paris Texas (1984)

妻子を捨てた男のロード・ムービー
『パリ、テキサス』(「テキサス州のパリス」という意味)は、ヴィム・ヴェンダース監督の代表作。ある日、メキシコから国境を越え砂漠を放浪していた男トラヴィス(ハリー・ディーン・スタントン)が発見された。4年前に失踪して死んだと思われていた彼は、弟のウォルトが養育した7歳の息子ハンターと再会。今度は父と息子の二人でヒューストンに行った妻(母)ジェーン(ナスターシャ・キンスキー)を探す旅に出る。1984年にカンヌのパルムドールを受賞した作品。ヴェンダース監督が発掘したドイツ人女優、ナスターシャ・キンスキーも好演。
Tokyo-Ga 東京画

80年代の日本が懐かしいロード・ムービー
ヴィム・ヴェンダース監督が敬愛する小津安二郎監督へ捧げたオマージュ・ドキュメンタリー映画。時は1983年、小津監督没後20年が経ち、ヴェンダース監督は『東京物語』の面影を求めて日本を訪れる。しかし彼が見たものはパチンコ店、ゴルフの打ちっ放し、竹の子族、ディズニーランドなど、アメリカ文化の延長だった。同時期に来日していたヴェルナー・ヘルツォーグ監督も撮るところがないと落胆する。それでも諦めずに鎌倉へ行き、憧れの俳優・笠智衆さんや撮影監督・厚田雄春さんの話を聞き、小津監督のお墓参りをする。少しずつ小津映画の世界に触れていく監督の様子が旅日記風に仕上がっている。世界の評論家たちが見落とした傑作といわれる作品。
Alice in the Cities

純真なアリスから目が離せない
1974年に公開された『都会のアリス』はヴィム・ヴェンダース監督を語るに欠かせない作品。ドイツ人記者のフィリップ(リュディガー・フォーグラー)は旅行記を書くためにアメリカを放浪していたが、スランプに陥り帰国を決意。ニューヨークの空港で、9歳の少女アリス(イェラ・ロットレンダー)とその母親に出会い、アリスをアムステルダムまで連れて行くように頼まれる。しかし待ち合わせの場所に母親の姿はなく、二人はアリスの記憶を頼りに祖母を探す旅に出かける。ヴェンダース監督にとって4本目の作品だが「この映画で自分は初めて監督になれた」と語るぐらいに監督自身にとって大切な作品。
Pope Francis: A Man Of His Word

今、ポープは私たちに何を伝えたいのか
『東京画』のヴィム・ヴェンダース監督自らの脚本による最新ドキュメンタリー作品。歴代のローマ教皇で、最も人権を尊重するとして人々に親しまれているアルゼンチン出身のポープ・フランシス。この映画は彼の人生ドキュメンタリーではなく、現在の彼の様子を観察しながら彼のメッセージに焦点をあてる。近年ますます大きくなる貧富の差、お金と贅沢だけを重視する人々、社会の不平等さ、 戦争難民たち、地球温暖化、世界平和、そして独自の家族のあり方や死についてなど、まるでポープが目の前にいて一つ一つの質問に答えてくれるような優しい映画。

