日本映画監督スペシャル Japanese Movies

The Cinematheque 日本映画監督スペシャル 

北野武監督

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Takeshi Kitano ©2017 The Cinematheque

シネマティック映画館ではコメディアンやTVパーソナリティ、そして映画監督として世界的に有名な北野武監督の新しく復元された初期の映画2本を公開する。デビュー作のViolent Cop(その男、凶暴につき、1989)では、主人公の我妻(ビートたけし)、ヤクザ、悪い刑事との抗争の中で同僚の死、妹の誘拐など内容豊富な展開が見どころ。2本目のBiling Point(3-4×10月、1990)では、草野球をしているガソリンスタンドの店員・雅樹(小野昌彦)の避けられないヤクザとの戦いに焦点があたる。北野映画はBGMや台詞が少なくシンプルで、外国人にもわかりやすいのが特徴。ハードボイルド的スリラーの中に独特なユーモアがあり、当時各国際映画祭を大いに喜ばせた。

Beyond Outrage(アウトレイジ ビヨンド)

「バカヤロー」「アホンダラ」で全員悪人?!

「世界の北野」こと北野武監督が手がけた初めての続編。前回の抗争から5年経ち、会長が交代し新体制となった関東の山王会は、勢いよく政治にまで手を伸ばし始める。ヤクザ組織の壊滅を企てる刑事片岡は山王会と関西の花菱会の対立をわざと仕掛けていく。監督の前作「アウトレイジ」はカンヌ国際映画祭、そしてこの「アウトレイジ ビヨンド」は同じくマフィアの多い?イタリアベネチア国際映画祭のコンペティション部門正式上映となった。東日本大震災後、世の中が愛、絆、支えなどを表面的に訴えたのでイライラし、こういう時こそヤクザ映画なんだという監督らしい愛情表現で、出演者も主役、脇役共に関東•関西弁の超ベテラン、豪華キャストを揃えている。コアな映画だが礼儀正しく正義感もあふれているので、ストレスを発散させてくれそうだ。

 

溝口健二監督

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Kenji Mizoguchi ©2017 The Cinematheque

雨月物語

復元された1953年の作品

溝口監督の代表作で主演は森雅之と京マチ子。近江に住む貧しい農民、源十郎(森)は畑の世話をしながら焼物を売っていた。羽柴秀吉が長浜を占領したという噂を聞いた彼は、義弟の藤兵衛(小沢栄)と二人で妻子を捨てて長浜へ向かう。焼物が飛ぶように売れると源十郎は、信長に滅ぼされた朽木氏の生き残りだという若狭(京)と同棲し始め、藤兵衛は侍になろうと走り回る。その間、源十郎の妻(田中絹代)と藤兵衛の妻(水戸光子)に災難がふりかかる。ある日若狭が存在しない死霊だといわれた源十郎は仕方なく村へ戻るが、そこにはもう家族の姿はなかった…。べネチア国際映画祭の銀獅子賞など世界で賞賛され、国内外の映画人に影響を与えた日本作品。

 

鈴木清順監督

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主役の宍戸錠と女性たち 2016 ©The Cinematheque

Branded to Kill(殺しの烙印)

色、欲、裏切り、そして殺しのシンフォニー

鈴木清順という名を世界的に有名にした、宍戸錠主演の1967年の日活作品。ヌードが禁止されていた初期の「黒ベタ」(黒色が自粛個所を追いかけて隠す)を喜ぶファンも続出したが、鈴木監督はこの映画で専属契約を打ち切られ、作品封鎖問題が生じた。すべての殺し屋がナンバー1になろうとしているヤクザの世界。ナンバー3の花田五郎(宍戸)はナンバー2を倒したが、謎の女性美紗子から依頼された狙撃に失敗し多くの敵に狙われてしまう。戦う花田の前に最強の敵、伝説のナンバー1が出現する…。タランティーノ監督をはじめ、世界の大物監督たちに衝撃を与えた日本シネマの代表作。

 

松本俊夫監督

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美少年エディを演じるピーター©2017 The Cinematheque

Funeral Parade of Roses(薔薇の葬列)

日本の元祖ビジュアル系に迫る傑作品

新しくデジタル化された復元シリーズの一貫。この映画は今年4月に亡くなった松本俊夫監督の長編第1 作目で、俳優ピーターのデビュー作。舞台は60 年代末期の新宿。ゲイバーで働くカリスマ的なエディ(ピーター)は、経営者の権田(土屋嘉男)から気に入られて親密な関係になり、権田の愛人だった店のママ・レダ(小笠原修)から強烈な嫉妬をかう。レダはことごとくエディを傷つけようとするが失敗し、事件が発生する…。監督たちは主役選びのためにゴーゴークラブに出向き、当時ダンサーをしていた16 歳のピーターをスカウトした。映画に登場するのは全て俳優でなく素人のゲイボーイで、撮影現場にパトカーが駆けつけるような騒動だったという。松本監督による最も異色で革新的なブラック・コメディーは見逃せない。

 

伊丹十三監督

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未亡人の店主・タンポポ(宮本信子)©Toho Co. Ltd./2017 The Cinematheque

Tampopo

ラーメン好き必見の懐かしい作品

伊丹十三監督による1985年の映画。長距離トラックの運転手ゴロー(山崎努)とガン(渡辺謙)がさびれたラーメン屋に入ると、未亡人の店主・タンポポ(宮本信子)がヤクザまがいのビスケン(安岡力也)にしつこく交際を迫られていた。助けようしたゴローだが逆にやられてしまい、後日タンポポの願いによりラーメン屋の修行を始めることになる。当時北米で日本のラーメンは今ほど人気がなかったにもかかわらず、フード、お色気、クレイジーと3拍子揃った伊丹監督のシニカルな作品は観客を大いに喜ばせた。

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